CrossOver を使って Windows アプリケーションをインストールすると、CrossOver が Windows 仮想環境を作成し、アプリケーションを実行できます。この Windows 仮想環境を ボトルと呼んでいます。
CrossOver で操作を実行する場合、ボトルを認識する必要はありません。CrossOver がボトルをどのように使用するか認識することなく、Windows アプリケーションをインストールして実行できます。
CrossOver は、Windows の仮想環境をコントロールする場合、ボトルの管理ツールを備えています。CrossOver を使ってボトルを操作する前に、CrossOver のメインウィンドウのウィンドウバーで "ボトル" ボタンをクリックすると、ボトルのサイドバーが表示できます。
ボトルのサイドバーに CrossOver が使用できる Windows 仮想環境の一覧が表示されます。デフォルトでは、Windows アプリケーションをインストールするために CrossOver のソフトウェアインストーラーを使うときに新規にボトルを作成します。
ボトルは Windows の仮想環境です。各ボトルには、C: ドライブとすべての標準フォルダー(Windows、Program ファイル、など) が入っています。また、ボトルには Windows のレジストリ (ほとんどの CrossOver の設定ファイル、Windows アプリケーション、ユーザーが保存したユーザーデータ) が入っています。
CrossOver では、一回のインストールで複数のボトルを保存できます。これは、一台のコンピューターで複数の種類の Windows マシンを動作させるのと同じことです。これは、複数のアプリケーションをインストールして相互に干渉しないようにする場合に便利です。例えば、1つのボトルで Microsoft Office の新しいバージョンをテストし、別のボトルで日々の作業を行うことができます。
特定のアプリケーションが特別なシステム設定を必要とし、他のアプリケーションでは必要としない場合、ボトルを複数作成しておくと便利です。また、バージョンが異なる Windows をエミュレートするようにボトルを保存しておくこともできます。例えば、Windows 98 ボトルで動作する古いアプリケーションを実行できます。同時に Windows XP ボトルでは別のアプリケーションを実行できます。
ボトルのサイドバーからボトルを作成、削除、修正できます。多くの場合、CrossOver のソフトウェアインストーラーを使うと、自動的に必要なボトルを作成します。ボトルの操作メニューで使用可能な機能を使って、更に直接的にコントロールができます。
ボトルのサイドバーでプラス ('+') ボタンををクリックするとユーザーが作成した新規ボトルを追加できます。
ボトルを追加した場合は、ボトル名と "ボトルタイプ" を指定できます。ボトルタイプには、CrossOver がエミュレートする Windows API のバージョンを指定できます。"Windows XP" ボトルタイプはデフォルトで設定されます。個人のアプリケーションをテストして、"Windows XP" ボトルタイプにインストールしても実行できない場合は、別のタイプでテストしてください。
CrossOver のメインウィンドウでボトルのサイドバーからマイナス ('-') ボタンををクリックするとコンピューターに保存されたボトルを削除できます。これで、CrossOver のソフトウェアインストーラーを使って以前インストールした Windows アプリケーションをアンインストールできます。
ボトルを削除する場合、ボトルには仮想 Windows 環境が丸ごと入っていることを忘れないでください。インストールしたアプリケーションとデータの両方が入っています。ボトルを削除すると、コンピューターからアプリケーションとデータの両方が完全に削除されます。ボトルを削除する前に必要に応じてデータのバックアップを取ってください。
ボトルのサイドバーの下にあるアイコンをクリックすると、下に示すような操作メニューを表示します。
ボトルの操作メニューから、選択したボトルを操作できます:
名前を変更. 選択したボトル名を変更します。
C: ドライブを開く. Finder のウィンドウを開くと、選択したボトルの C: ドライブの内容が表示されます。
デフォルトの Web ブラウザーを Mac ブラウザーにします. 選択したボトルで実行中の Windows アプリケーションが Web ブラウザーで URL を開くよう要求した場合は、デフォルトのネイティブ OS X ブラウザーを使って要求に応えてください。(場合によって、 CrossOver で実行する Windows ブラウザーを使って URL を開くこともあります。)
ボトルをアーカイブ…. 選択したボトルのアーカイブを作成します。
管理ボトル…. このコマンドについての説明は、このユーザーガイドの 詳細オプションの章をお読みください。
設定
デフォルトのボトル. 選択したボトルをデフォルトに設定するには、ここをクリックしてください。デフォルトのボトルは、ボトル一覧にボールドで表示されます。
レガシー X Window System を使用する. CrossOver 12.5.0 以前のバージョンでは、CrossOver には X Window システムを使ってキーボードやマウスからの入力やウィンドウや描画、イメージのスクリーンへの出力をコントロールしています。CrossOver ではデフォルトではこの技術は使用していません。そして、レガシーの X Window システムはデフォルトで無効になっています。ボトルを選択してこの設定を有効にすることもできます。
グラフィックのパフォーマンスが向上. CrossOver 13 から、CrossOver ではほとんどの環境で、3D ゲームのパフォーマンスを向上させる機能が組み込まれています。この機能はデフォルトで有効に設定されています。この設定により、選択したボトルでこの機能は無効になります。
ソフトウェアのインストール先…. CrossOver のソフトウェアインストーラーを使用すると、ソフトウェアを選択したボトルにインストールします。
コマンドを実行…. 選択したボトルでコマンドラインからコマンドを実行します。
終了. 選択したボトルで実行中の Windows アプリケーションをすべて閉じてください。
強制終了. ボトルの使用を中止できない場合は、強制終了を選んでボトルで実行中のプロセスを中止できます。このオプションを使用すると、保存していない変更は失われる可能性があります。
CrossOver のメインウィンドウでボトルを選択すると、"コントロールパネル" のメインウィンドウに新しいセクションが表示されます。このセクションには、選択したボトルに使用可能なコントロールパネルのアイコンが表示されます。アイコンをダブルクリックすると、いずれかのコントロールパネルを起動できます。
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システム上の設定は、OS に組み込まれている設定ツールを使って変更できます。Windows のコントールパネルは、ほとんど未サポートアプリケーションで、その動作は信頼できない、異常、もしくは破壊的な動作をします。 |
CrossOver には、あらかじめ幾つかのツールがコントロールパネルに登録されています。
ゲームのコントローラー. このツールを使用するとゲームコントローラーもしくはジョイステックを設定できます。
インターネットの設定. このツールを使うとネットワーク関連の設定にアクセスできます。
再起動をシミュレート. Windows アプリケーションによっては、特定のタスクの完了時にシステムを再起動する必要があります。またWindows アプリケーションが不安定になる場合があります。この問題は、システムを再起動することなく、再起動ツールを起動し、特定のボトル内で再起動をシミュレートすることで解決します。
タスク マネージャー. 「taskmgr」は、ボトル上のアプリケーション、プロセスの一覧を表示させることができます。動作の安定しないアプリケーションやプロセスを終了させる際に使用します。
Wine 設定. このツールを使って、ボトルを設定できます。また、このツールは、システムの統合時に発生する問題を解決する場合も有効です。